きっと彼処に違いない。 目の前に構えているのは気高き砂の城。 とりつかれたが最後、明日には戻れないという。 キミは何を考えていますか。 砂に似合わぬ頑丈さ。 僕はどのくらい頑張っているのか知れない。 キミの思索には僕がいますか。 足元の砂は掬うが早いか、指の隙間から逃避して、風に浚われて行った。 僕のことが、嫌いになったのですか。 灼熱の太陽に身を焦がし、僕は削られていく。 キミは僕を見てくれないのですか。 寂しげな顔の娘は、狂ったように砂と闘い続ける彼を黙って見つめている。 貴方は、私を見てくれないのですか。 とりつかれたが最後、明日には戻れないという。 |
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