幻想少女 |
わたしが あなたを 連れ出してあげるから。 どこへでも、行きたい処に連れてってあげる。 わたしが あなたを 守ってあげるから。 どんなモンスターだって、わたしには敵わないのよ。 …ねぇ、どうして、そんな泣きそうな顔するの? わたしが、あなたと一緒にどこまででも行ってあげるって言ってるのに。 わたしは、他に何をしてあげればいいの? …泣かないでよ。 あなたはいつも、そんな顔するんだから。 …そうだ。 明日出発しよう!決まり。 明日、お陽様が出てくる前に迎えに行くから。 用意しといてね。 忘れ物がないか、ちゃんと確かめておくのよ? 鋭い空気に充ちた。 青白い朝。 とある病院の 生温い角部屋で、 一人の少女が冷たくなっていた。 |
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