疾走
尋問(に)など、どうかお答えにならないで。
だってほら、背後にはいつでも狂気が。
どれほど些細な傷にでも
見入ってしまうレコード針の
執着心や如何ほどに。
洋風机の中央に
据えし古びた鏡にも
何も映りはしないから。
闇夜つんざくピンホール。
その数知らぬ君故に
カーテンの向こう…
直走る。速く速く。
白い風景。
溺れないように。
只走る。もっと速く。
それは矢張り、
狂気が常に監視するから。
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